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さらば時代
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中島みゆきの「時代」をよく歌う人がいた。なんともいえない髭声であった。そんな表現が |
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あるかどうかわからないが、 山男であった彼の髭と一緒に思い出されるから髭声である。 |
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自分で歌うことは決してないがとても好きな歌のひとつである。 時代が回るのは因業の世 |
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界をも映し出していて、また面白い。 繰り返される怨望や男と女の不毛の争いが世に満ち |
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溢れているからか。 一つの歌がその時の情景と甘酸っぱさと悔恨とともに思い出されるか |
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ら面白い。そういう意味ではあまりポジティブでないinterestingかもしれないが。 |
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「さらば日本」、「さらば外務省」と続いてくる昨今である。老いて生き恥をさらしたくはない |
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人が人であってこその時代であると。痴呆状態で他人に世話になり、 自分らしさを失うこと |
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の恐れと不安は誰にでもある。 でもそういうことを受容する時間もなく老いていくのかもしれ |
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ない。ある日突然はないかも知れないにしても誰にでもありうる話しである。 |
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逆に恥を知り、けじめをつけれられる人生は幸せかとも思ったりもしてしまう。 |
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こちらは精精「時代を読んで環境を変える」と称してけじめもどきに努めるしかない。 |
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でも確実に時代はめぐるのである。「さらば外務省」の内容は私怨ではなくて、 告発であっ |
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て啓発であるかもしれないが、組織を変えるには権力をもつことが必要である。 |
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世にいう出世がすべてでなくなっていても、家族があって会社があってとはいっても業務命 |
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令には逆らえないことが多い。ある意味で過去の日本の時代をひきずっている。 |
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権力を得るに、業務命令を堅実にこなしていく姿があちこちにあるのかも知れない。時代は |
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まわっているのに。 |
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小梅がボソッと言った。 |
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「裏表がなくて、 潔く努める人が好き。なにを好き好んでネガティブな本ばかり読むのかな |
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ー」と。 |
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「消しゴムと塗りつぶし」 |
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秋の気配が濃厚なある平成14年のある1日。 |
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スペインの内乱や真珠湾攻撃前の日本とはまったく違う時代に、国を思うこともなく自分の |
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身の振り方ばかり考えていた。医者なんて、 ドクトルジバゴの映画やベンケーシーのテレ |
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ビとは違う小さな存在であると気づくまでに余り時間は必要ではなかった。 |
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時代に嘲弄されることがあったかもしれないし、なかったかもしれないけど、好きな仕事 |
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をやってきたという思い込みがあった。でも何かが違うと感じたのはこの数年である。 |
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歴史も何も、老舗もプライドも何もかも持続性を失っていく形はなんだろうと。戦略と称する |
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勝ち負け組の色分けでほんの少しの時代の寵児がどれくらいいるだろうと。 |
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多くの人は、そこそこのペイとそこそこの満足感で、そこそこの小さな幸せを追求するこ |
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とで「大変だ、大変だ」という。あっという間の時間経過で、あっという間の人生の分岐点と |
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いう邂逅もよく考える暇もないことが、今の不幸せなのかもしれない。そんな日々の中で、 |
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急に開院独立の話が到来した。ペリーほどではないにしろ、意識の改革は時間経過ととも |
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に転回していく。 |
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おゆうがいった。 |
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「馳せ参じるって、かっこいいよね。恋の道も何とかならないかなあ」 |
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渡島管内には多くの脳神経外科施設が存在する。多くの専門医が日夜努力している。 |
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でもすべての症例がすべて地元で治療が可能とはいえない。それだけ専門性が高まって |
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いるともいえるが専門馬鹿になれない現実がある。日常では神経内科的、心療内科的な |
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疾患をも扱う機会も多い。また脳卒中診療の多くは手術非適応の保存例である。 |
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内科的合併症に対する知識も必要である。そして頭蓋底手術とか高度な経験を要する手 |
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術もあれば、血管内手術の発展も著しい。 |
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実際の場面では、一般脳外科医と称して脳血管内科医であることが多いのである。 |
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そんな実態で専門的センターが函館地区にできるのであろうか。腫瘍の化学療法、頭蓋 |
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底手術センター、脳卒中センターなど各施設単独でカバーできるものではない。 |
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それでも構造的に各施設ごとでしのぎを削らなければならないのだろうかと考える。 |
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ペリーが何をしたのかはよくは知らない。しかし、彼は時代を変える扉を開けたのであろ |
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う。受身的に変革した日本は、また昭和、平成での変革を経験してしまった。 |
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今の自分に照らし合わせて何ができて何ができないかもわからないうちに、とんとんと |
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開院の話がまとまったがそれからが大変であった。スタッフも決まらず、金策も決まらず、 |
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医療メーカーも決めず唯一決まったのは建築予定だけという有様であったが何とかなった |
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のが不思議である。はらたいらに言わせれば、大事なのは「威張らない」「頑張らない」 |
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「欲張らない」の3つということであるがそんなにやさしくはなれない。 |
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幕は開いてしまった。何度か消したり書いたり、塗りつぶしたりの繰り返しが始まるのか |
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もしれない。 |
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小鞠がいった。 |
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「ああでもないこうでもないといったって、たくさん元気よく食べる人が好かれますよ」 |
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